2011年(第11回)住宅課題賞
 
会  期 2011年11月17日[月]−11月4日[金]
日・祝日休館 10:00〜18:00(最終日16:00迄)
会  場 ギャラリー エー クワッド ⇒アクセス
(江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1階)

 東京建築士会は、東京都の建築士有資格者団体として、また東京都指定登録機関として建築士の業務の進歩改善と品位の維持向上を図り、さらに生活環境の向上と建築文化の進展に寄与することを目的として、様々な活動を通し、建築情報を提供しながら建築士制度の普及に努めています。

 その一環として、毎年、市民の皆さまに建築士の理解を深めていただく機会として、建築の展示会を開催しています。
 平成13年より企画して参りました「住宅課題賞」入選作品展(建築系大学住宅課題優秀作品展)は、本年も昨年に引き続き、ギャラリー エー クワッドのご協力により、同会場において実施する運びとなりました。この企画は11回目を迎えましたが、さらに参加大学も増え、本年は35大学44学科の参加・出展をいただいています。

 「住宅課題賞」は、首都圏の建築系大学より、設計授業の住宅課題の優秀作を募り展示し、さらにこの中から公開審査により特に優れた作品を「優秀賞」として選出し顕彰しています。
 本賞は建築の基本である住宅の設計を通して、建築を学ぶ学生の皆さんに、その楽しさと社会的な意義への認識を深めていただくと同時に、建築士会会員をはじめ第一線で活躍されている建築士と各大学間における建築教育の情報交換と学生間の交流の場を目的として企画されたものです。

 今後の建築界を担う学生のみならず、建築教育を担う大学にとっても有意義なものになると考えています。
 この入選作品を公開展示することにより、建築に携わる方々への新鮮な刺激と、より多くの人々に建築への理解をより一層深めていただける機会となれば幸いです。

 なお、本展に際し、企画運営にご協力いただきましたギャラリー エー クワッドをはじめ、ご協力いただきました関係各位に厚く御礼申し上げます。
      2011年10月
社団法人 東京建築士会
住宅課題賞審査員】
審査委員長: 植田 実 氏(編集者・建築評論家)
審査員: 下吹越 武人(法政大学デザイン工学部教授/A.A.E.)
  高橋 晶子(武蔵野美術大学造形学部教授/ワークステーション)
  福島 加津也(福島加津也+冨永祥子建築設計事務所)
松下 督((株)日建設計 設計部門設計室)

 
住宅課題賞

展示風景
2011年(第11回)◆住宅課題賞◆公開審査結果
NO
作品模型・課題名
学校名・作者名
設計主旨
1
木造週末住宅の設計
宇都宮大学 工学部
建設学科 建築学コース
3年 矢内 拓実
作品名『露台の家』。日光中禅寺湖湖畔の週末住宅である。
敷地は湖面レベルから2mの段差をあがると森のような、豊かな自然の空間が広がっている。
湖と森と、双方を感じながら過ごすことができる空間を造りたかった。
そのために段差に建物を埋め込み、大きな屋根をかけることで湖の空間と森の空間を繋げる。
屋根には露台(テラス)をつけ、周辺の自然を感じながら過ごすことができる。
2
時間と住宅-30年を設計する
神奈川大学 工学部
建築学科 デザインコース
3年 下岡 由季
変化する住宅。それは建築が形を変えるのではなく、人びとの成長や時間の経過と共に使われ方が変わる住宅である。
キッチンを桜の見えるカフェに、こどもスペースを物置に、書斎をデザイン事務所に、通り道をギャラリーに、物置をロフトに‥桜を眺め四季の変化を感じ、時の流れに合わせて住宅の使い方を変化させる。
そんな、人の生活にそっと寄りそった集合住宅を提案する。
3
ここにしかない家-20年後に
自分の家族が住む場所+α
関東学院大学 工学部
建築学科 建築コース
2年 西端 暁
nishihata邸
自分の設計事務所を+αとして建物を計画している。
建物中央に中庭をつくり、底に水盤がある。
東側のマンションに対して工夫をし、明るい快適な空間を目指している。
南側の光と海の景色を取り込む為に開口部を主に南北方向に作り、西側のサクラ並木の景色を開口部とテラスを通して建物に取り込んでいる。
テラス、中庭を挟む窓、水盤などを通して二十年後の自分の日常が想像できる。
4
終の棲家としての都市建築
共立女子大学 家政学部
建築・デザイン学科 
建築コース
3年 徳山 瞳
恵比寿という都会にありながら、この土地の周辺は地名から想像されるような華やかさはなく、古びた建物が密集している。
この住宅は大小様々な大きさの箱によって構成されており、都市における多様な暮らしを楽しむかのようにその時の感覚に合った空間を住み手が自由に選べる。
箱は外部と内部を曖昧に繋ぎ、狭い敷地でも開口部を多く取ることで街と繋がりながら生活する住宅を設計した。
5
慶応 SFC 未来創造塾
慶応義塾大学(SFC)
環境情報学部
環境情報学科
2年 杉浦 岳
キャンパスに隣接した研究者用宿舎の設計案。占有可能な外部の景観・空の狭さ、日常的な隣室への配慮の必要性を集合住宅における問題と捉え、この問題を解決する集合住宅を設計した。
問題の解決には従来の一般的な集合住宅を90 度横に転がし各ユニットを半階ずつ縦にずらすという方法をとった。
これにより間口は狭くなるものの、広い景観・空の占有と、隣室への配慮の軽減が可能となった。
6
仙川の住宅
工学院大学 工学部
建築学科
2年 古市 翼
これまで僕は一つの家で家族と暮らしてきたけれど、個人の生活が確立してきて、必ずしもそういうことが家族の距離ではないように思えた。
拘束しあって野暮ったいような、それでも互いに依存しているような。そんな曖昧な家族の距離を建築化しようと考えた。
一人ひとりの生活が集まって住宅になり、多様な空間が当たり前の形に収まる。
それは仙川の敷地に呼応し、生まれた形は羊のよう。
7
仕事場をもつ家
審査員 福島賞」
工学院大学 工学部
建築学科 建築学コース
3年 藏永 むつみ
家族は個人の集合である。                                     
一つの家の中で、親しい間柄だからこそ生じる<近接>と<分散>を繰り返しながら独立した個人が日常生活を営み続ける様は、まるで目には見えない磁場のバランスによって距離感を保つ磁石同士のようである。                                   
家族同士の関係性という磁場を、空間の関係性に置き換えたADJUSTABLEな住まいを提案する。
8
都会の中のスローライフ -烏
山川緑道沿いに建つ木造住宅
国士舘大学 理工学部
理工学科 建築学系
3年 平野 恵人
緑道を考慮しながら空間に角度を与える。
その少ない操作だけで、内部には自然光、通風、景色が入り込み、また、外部との関係がゆるやかに結ばれている。
「自然や外部との関係性」がこの建築空間の豊かさの決め手であると考える。
内部の動線計画としては、それぞれの寝室に一つの公園のような空間を隣り合わせることでコミュニケーションを誘発させようと考えた。
9
様々に変化する生活シーン
を考えた住宅
芝浦工業大学 工学部
建築学科
3年 上田 将之
今のハコ型住居のような四角い壁に囲まれた住居に、内外の領域の自由さは感じない。
もっと内外を分ける領域は自由であっていいはずだ。
そこで、その境界に凹凸をつけ内外の領域を混ぜ合わせる。
そうすることで境界はあいまいになり、内なのに外、外なのに内が感じられ、内外は反転する。
そして人は家の外、家の周りの森、町も生活の一部と感じながら生活する。
10
環境にやさしい暮らしと
住まい
首都大学東京
都市環境学部
建築都市コース
3年 中村 駿太
4人家族のための事務所兼住宅。
敷地は千歳烏山の住宅地。
この敷地に対して入れ子の構成をとることから考えた。
外壁から断熱材を取り払い、その隙間を広げてできた空間がイエを囲う。
上層部の外壁に対してはあえて断熱材を残し、隙間を狭めることでできたテラスがイエを囲う。
それらが住み手と住宅の間に能動的な関わりを生むと同時に、周辺を明るくすることを期待する。
11
移動の見える家
昭和女子大学 生活科学部 
環境デザイン学科
建築・インテリアデザインコース
3年 町田 実季子
近所付き合いが薄い現代に、内のスロープとガラス張りの壁と共同のバルコニーとで住人同士の行動が見え距離が近い集合住宅、緑を感じる生活を提案する。
ファミリータイプはひとつの家族はスロープの移動とスキップフロアによって同じ空間を共有しているということを感じやすい設計を意識した。SOHOは移動によって仕事と私生活の切り替えができることを意識した。
12
住宅計画
女子美術大学 芸術学部
デザイン学科
環境デザインコース
4年 山口 紘奈
自宅にアトリエを持ち、共に仕事をし、共に生活する二人の関係を考える。
植物の細い茎を軸とし、そこから葉が生えて行く成り立ちのように、細い外階段を軸とし、各部屋が緩やかに繋がれている。
この外階段が生活の中心動線となり、人と人を隔てるものでありながら、同時につなげる存在となる。
離れているが、どこかでつながれているような互いの気配を感じる。
二人の距離を考えた住宅。
13
風景の中の住空間
多摩美術大学 美術学部
環境デザイン学科
2年 小泉 創
好きな漫画やアニメーションにはとても熱中し、熱く語ってくるような性格のクライアント。
そんなクライアントだからこその「豊かさ」を探ってもらうための空間を考えた。そこで、幅・高さ・太さの異なった様々な三面体を敷地に配置しそれらをクライアント自らが動かすことでその時に必要な場を設えるようにした。
自らの手で動かすということが自らの豊かさに繋がるのではないかと考えた。
14
小住宅の設計

千葉工業大学 工学部
建築都市環境学科
設計コース
3年 深澤 衛

家の中には家族の生活が溢れている。
しかし、現状では家族同士は部屋によって区切られていて家族の生活をかいま見ることができない。そこで家族の生活の一部が見え隠れするようにする。
部屋の動線を螺旋で繋ぐことで家族の生活は部屋を抜け出し、家全体ににじみ出る。
15
ミニマル・コンプレックス
筑波大学 芸術専門学群
デザイン専攻 
建築デザインコース
4年 宮下 潤也
この住宅のコンセプトは大きな一枚の生地に包まれた住空間である。
住宅のそれぞれの機能を持つミニマルな箱の集積体に、木材を編みこんだような柔らかな皮膜を被せる。
この皮膜と箱の間は、光が拡散し風が通り抜ける土間のような場所になっており、外部と接する面の状況に応じてその密度を変化させている。
この皮膜と箱の狭間で、住人は外部空間の繊細な変化を体験する。
16
計7人ですむところ 両国に
集まって住む意味を考える
東海大学 工学部
建築学科
3年 板部 奈津希
敷地は両国。周辺には洗濯物が風に揺れる風景があり、昔ながらの下町の人の温かさが残るこの地に、従来のアパートやシェアハウスは合わないと考えた。7人それぞれがプライバシーを保ちつつ、互いに関係をもって暮らす場を作りたい。
回りながら屋上へと向かう動線にレベル差を付け、個々の空間の間に、通り抜けできる部分やわざと動線の外れに共用の洗濯場を設け、様々な視点を持たせた。
17
100人の家あるいは都市
-21世紀の「共有」を考える
東京大学 工学部
建築学科
3年 紺野 光
共有すること。
それは、ひとりひとりが占有しているときよりたくさんのモノが「わたしの」ものになること。
この住宅のもつあいまいな占有感が「わたしの」をどんどん押し広げていく。「わたしの」まち、くに、世界へ。
「わたしの」空間をよりよくしよう。
18
○○が集まって棲む家
東京家政学院大学
家政学部 住居学科
3年 田中 萌実
提案するシェアハウスは昼に仕事をする人と夜に仕事をする人の生活時間がずれた労働者が集まるシェアハウスです。Nightshift(夜勤者)のための空間、Dayshiftのための空間、共有する空間で構成しています。
一人暮らしのためのスペースを四畳半とします。
それをベースにした一辺3mキューブを4.2mグリッドの立体格子に配置しました。
19
住宅「A HOUSE
FOR ELEPHANT KEEPER」
東京芸術大学 美術学部
建築科
3年 小林 哲也
象の鼻は伸びると長さ2m以上にもなる。
その長さを1つのモジュールとし、高い壁に囲われた象と来園者との間に住まう飼育員の家を考える。鼻の長さによる幅2mのエリアを象と飼育員のための場とし、そこから象とは離れたボックスが外側にはみ出す。
そのボックス群が来園者の休憩所となる。
象の鼻をきっかけとした家が単なる擬岩よりも3者の関係をより豊かなものになることを期待する。
20
集合住宅の設計
東京電機大学 未来科学部
建築学科
3年 小林 洸陽
住民の暮らしがソトに溢れ出し、ウチとソトが混ざり合う。
ロジに突き出すように配置された縁側、上の階では共有テラスから生活が溢れ出す。
外部に住民の生活が溢れれば、人と人が繋がるきっかけになるのではないだろうか?
たくさんの繋がりが混ざって広がって溢れ出す。
それらが谷空間のような大きな吹き抜けによって、次々と繋がり、1つの街のようなコミュニティを形成する。
21
プールのある住宅
東京都市大学 工学部
建築学科
3年 宮下 翔多
プールやお風呂に入ることはなぜ気持ちいいと感じるのだろうか。
それは空気中にいるわけでもなく、水中にいるわけでもない、水と空気の境界をまたいでいることであると同様に、都市に住まうことも住宅の中で完結しているわけでなく、都市にずっといるわけでもない、住宅と都市の境界をまたいでいることで豊かな生活ができるのではないかと考えた。
そこで、「誰のものでもない空間、誰かのものになりきれない空間」を持つ住宅を提案する。
22
日本橋人形町・浜町に住む
東京理科大学
工学部第一部 建築学科
2年 塩田 利花子
住むひとの間のコミュニティーを豊かにする住宅。
人形町の極小敷地に単身者4人のための集合住宅を設計した。
L字型500mm厚の“かべ”によってプライベート空間、共用部の2つの空間が生みだされる。
かべうらのプライベート空間はねずみの秘密基地をイメージした。
かべの空間は両側から使え、かべにあいた穴は通り道になる。
かべうらの空間は住人の生活をいきいきと楽しいものにしてくれる。
23
3つの住宅(50u、100u、200u)
東京理科大学
工学部第二部 建築学科
3年 山崎 智子
芸術と暮らす住宅
共有部分として、中央に音楽ホールを内包させ、一階の壁をギャラリーにしました。
音楽会、展覧会、パーティなど用途は様々。
住居部分は、広い敷地の贅沢さを各世帯が味わえるよう、中央のホールを囲んで配し、階をあがるごとに景色が変化するように計画。
同じ敷地に住む三世帯が、芸術と共に暮らしつつ、豊かな日々を紡いでいくことを想像しながら、取り組みました。
24
「20年後の私の家」
「審査員 下吹越賞
東京理科大学 理工学部
建築学科
2年 清宮 あやの
東京都杉並区荻窪の住宅地。20年後、私は夫と2人暮らし。
平日は仕事、休日は友人を招いたホームパーティ。
そんな平凡な日々を想像する。 
敷地に沿って伸びたカベは、ヘヤとなり、仕切りとなり、外へと開かれた空間を生み出す。
住宅地に近しい外へと開かれた空間と、内へと閉じられた空間に、パブリックとプライベートの動線を配置。
それによって生まれる新しいカタチの2人暮らしの提案。
25
何かがある家
「審査員 植田賞」
東洋大学 理工学部
建築学科
3年 大槻 茜
人は毎日生活行為を繰り返す。
そこには無意識の「流れ」があった。
「流れ」に従ってプランニングされたこの家の中で、それぞれのバックグラウンドをもつ9人は家自体の「流れ」に流されながら個々人の生活行為をこなしていく途中に、同じように流されてきた他者とすれ違う。
その少しの時間がこの家族にとって大切であり、集まって住む価値を感じられるものになる。
26
MY HOUSE
〜上を向いて住まう〜
審査員 松下賞」
日本大学 芸術学部
デザイン学科
建築デザインコース
3年 木村 和
建物が密集する都市部では壁面の開口はプライバシーの保持を妨げる。
このプランでは都市における新しい住宅×事務所の住まいとして、顔となる南面のファサード以外の壁面を閉ざす一方、同じ空間にある住宅と事務所の間に庭を設けることで互いに差と開放感をもたらした。
トラスに刻まれた開口、少しずつずれていく斜めの壁から光が落ちるとき、自然と上を見上げるような住宅となる。
27
20年後の私の家
日本大学 生産工学部
建築工学科
建築総合コース
2年 地曳 弘太
家族のつながり=空間のつながり
家族における空間とは、繋がりすぎてもいけない、仕切られすぎてもいけない。
L字型という形とは、□(四角)ではない。
□が閉鎖的を意味しているならば、Lは開放的を意味している。
空間を仕切っているようで完全には仕切っていない。それがLという形である。
Lという形を組み合わせることによって、つながりがあいまいな空間を作り出していく。
28
「集まって住む」を
デザインする
「優秀賞2等」
日本大学 生産工学部
建築工学科
建築環境デザインコース 3年 堀 裕平
“集まって住む”、それはマンションやアパートのことではない。これらは住戸と住戸の境界に、壁を置きつながりをなくした。
1つの建物の中に一緒に暮らしているのに、互いを知らない。
知ることができない。
1つの建物の中で、8世帯が相互扶助の関係で成り立ち、互いを知り、話し、一緒に食事をし、同じ空間で共に過すことができる。
常にお互いを感じられる集合住宅を提案します。
29
集合住宅
日本大学 生産工学部
建築工学科
居住空間デザインコース 4年 進藤 麻理
自然あふれる生田緑地。
そこでの美術館や民家園など、芸術分野に力をいれているという背景を活かし、芸術家のための「仮住まい」の集合住宅を提案する。
各住宅の用途を引き離し、個々のダイニングとキッチンを集めた大きなダイニング空間を中心として、引き離された用途をひとつの屋根で結ぶ。
それにより様々な使い方が可能な大きな共用空間を創ることができる。
30
集合住宅
日本大学 理工学部
建築学科
3年 星 衛
大きく開けられた開口は住戸空間を二分し、住人は一方の住戸空間と「ハナレ」と化したもう一方の住戸空間との間を、日々の生活の中で行き来する。
大きな開口は、住人が日々の生活で移動する風景を映し出すことで住人同士の存在感を生み、路地を媒介としたシークエンスが展開することで、都市と建築は連続する。
住まいはコミュニティーの動機をつくり出し、住人間・都市間の距離を縮める。
31
掘割に立地した住宅の設計
日本大学 理工学部
海洋建築工学科
2年 大川 峻
人間の活動における水と陸と生活の交点となる家。
ヴェネツィアのソットポルテゴの様に、道路と運河からのアプローチが交わり、水面からピロティー状に浮揚させた住空間へと導かれる。
家族の集う場は運河に開くが、個の空間は中庭に面す。
その中庭は公園へと抜け豊かな緑を取込む一方、敷地内は水との関りに限定した。
水のきらめき、揺らぎ、せせらぎを介して、家族がその気配を共有する。
32
2011年3月11日14時46分、
君はどこにいて何を感じた?
日本工業大学 工学部
建築学科
3年 内田 健太
地震発生時、僕は集合住宅での住人同士の関係の希薄さを痛感した。
この計画では犬を介して住人同士の関係を築いてゆくシェアハウスを提案する。テーブルを挟んで二つの領域をつくる。
人は通れないけど犬は通れる。
犬に会うためにはちょっと遠回りをして、他者の領域に入らなくてはならない。住人同士が犬を介し自発的に関係を築くことが、互いの関係をより濃くすると考えた。
33
シェアハウスをデザインする
日本工業大学 工学部
生活環境デザイン学科
2年 橋本 温子
この建物は、テーブルを囲む個室、その外周の廊下、そこと吹き抜けを介してつながる二階の共用部からなるシェアハウスである。
個室にいながらもテーブルを囲むことによって互いの気配を感じることができ、共有スペースである二階のカフェは外から直接アクセスできる地域との交流の場となっている。
生活のシーンに応じて、人々のさまざまな程良い距離感がつくられるシェアハウスである。
34
集合住宅課題
日本女子大学 家政学部
住居学科 
建築環境デザイン専攻
3年 所澤 安希
まわりとつなぐ「路地」のような集合住宅を提案する。大久保は今外国人が多く住む街となっている。しかし、大久保2丁目は周辺の変化から取り残されてしまった。外国人と日本人のコミュニティーを形成するため、この街の特徴である先が見えそうで見えないが入りたくなる「路地」を人間の視野角を利用し取り入れた。この狭い入口の先には様々な人が交流できる広い庭が広がっている。
35
小住宅の設計
文化学園大学 造形学部
建築・インテリア学科
2年 半田 奏美
一人暮らしの高齢者は地域とどのように関わりを持つのか…それをサポートする住宅の提案である。地上に飛び出した自己主張の強いドーム。
人々は惹きつけられ覗く。
そこにはフクロウが住み、さらに地下へ広がる空間には老人の姿。
自然界では嫌われ者のフクロウが、地域社会と関係を持つきっかけを得られずにいる老人の手助けをする…この空間で彼はさまざまな福を手に入れるだろう。
36
ずれが生む生活空間
法政大学 デザイン工学部
建築学科
2年 下田 悠貴
直方体を重ね、ずらす、という操作から住宅を考える。
直方体の輪郭を残しつつ、壁を減らし、開放性を与える。
重なった直方体の小さなずれからは、腰掛けや棚が生まれる。
大きなずれからは、空間を緩やかに区切る境界が生まれる。
1つ1つの直方体の空間は緩やかにつながり、また緩やかに区切られる。
家族と個人との関係にも、緩やかなつながりと緩やかな距離が生みだされる。
37
11戸のテラスハウス
-広瀬川×260mの風景
「優秀賞3等」
前橋工科大学 工学部
建築学科
4年 矢端 孝平
河畔に面した長さ260mの敷地の中で0?100歳までの人々が11世帯集まって住むテラスハウスの計画である。
ジグザグにのびるヴォリュームによって南北に各戸の占有・共有庭をつくることで、生活が内側で完結せず、積極的に庭を介して外にあふれだすことを意図している。
また庭と住戸を等価に扱い、交互に並ぶ外観には住人の生活風景があらわれ、この自然環境豊かな街にやわらかく溶込んでいく。
38
10人が集まって住む空間
武蔵野大学 環境学部
環境学科 住環境専攻
3年 四釜 愛
他人に対して無関心な現代の社会に疑問を感じる。
隣近所の顔が見える集合住宅を提案したい。本計画では集合住宅の内部に交流の場となる立体路地を設ける。
南東側の道路と北西側の遊歩道を結ぶように配された路地は抜け道となり、地域に新しい顔を作り出す。
路地を跨いで向かい合う住戸からは住民の生活が零れだし、人々は路地に住まう。
路地で生まれる人との関係性が地域の生命力となる。
39
東久留米の住宅 --住宅の
新しい可能性を提案する--
武蔵野美術大学 造形学部
建築学科
4年 田中 里加子
本来切り離されて存在していた畑と家の関係を見直し、畑を住宅の中に取り込むことで、新しい生活の在り方を提案する。
歩行者の視線を気にせずに畑仕事が出来るよう通りに対して開口の高さを調節した。
畑をシェアし、土に触れ、太陽を浴び、時にはテラスで休憩をし、みんなで育てた野菜を一つの食卓で一緒に食す、この住宅は地域の人の癒しの場となり、新しいコミュニティーが生まれる。
40
今日的な役割を担う
都市住宅
明海大学 不動産学部
不動産学科デザインコース
3年 塚田 香奈子
道路を挟んだ公園から続く街路のような共用のアプローチ空間を中心に、ファミリータイプ・単身者タイプの住戸どうしが互いに気配を感じられるように配置した。
街路にはカフェも面していて居住者と周辺に暮らす人とがコミュニケーションがとれることを意図した。屋上は菜園になっていて、住む人どうしで活用される場所となるように計画をしている。
41
緑道沿いの集合住宅
明治大学 理工学部
建築学科
3年 森田 夏子
みんなが同じくらい近所になれば、「ご近所付き合い」はもっと気楽になるはず。
1つの箱の中で、10つの家はどんどん広がって、絡まっていく。
おとなりさんは部屋を進むごとに、階段をのぼるごとに、変わってゆく。
どんどん、みんながおとなりさんになる。ゆったりとしたご近所関係が生まれる。
そしたらきっと、そこには新しい会話や生活が生まれるかもなぁと思う。
42
地方都市における新たな
住まいの提案
ものつくり大学
技能工芸学部 建設学科
3年 谷岡 俊紀
日本における外国人居住者の数は増え続け、地域社会の中で共に生きて行く時代をむかえている。
そこで、日本人と外国人が共存することのできるシェアハウスについて考えてみた。
多様な出会いの場をもうける努力をした。
日本語や日本の文化を学ぶ場としてカルチャースクールがあり、地域交流の場としてギャラリーがある。
それぞれの文化を探検し、学ぶことによって新たな街を作りたい。
43
自然のなかの居住単位
「優秀賞1等」
横浜国立大学 工学部
建設学科 建築学コース
3年 ヤップ・ミンウェイ
木々の間をめぐる家。
森のなかの木を手がかりにして、そこに元々存在する空間を具現化してみました。
森のリズムを刻まれた家のなかに、自然と至近距離で暮らす。
落ち葉が降れば、屋根の所々に積って光を遮り、明るい場所と暗い場所を作りだす。
季節が移り変われば、中に投影された風景も生活も付いていく。
そんな自然の家です。
44
3〜5世帯のための
集合住宅を設計する
「審査員 高橋賞」
早稲田大学 理工学術院
創造理工学部 建築学科
3年 塩谷 歩波
敷地は人通りが少なく高齢化が進んだ住宅地内にある。
地形としては急傾斜の坂の中腹にあり、そこから低層に位置する都心部を臨むとビル等から漏れる小さな光が寄り集まり周囲をささやかに照らしていた。
これをヒントに小さな光が集まり一つの木のようになった集合住宅を計画し、寂しげともいえる敷地周辺を照らし出したいと考えた。