2011年(第11回)住宅課題賞公開審査結果  
 
 東京建築士会では、平成13年より「住宅課題賞」(建築系大学住宅課題優秀作品展)を開催しています。
 これは、東京圏に位置する大学の建築系学科等で行われている設計製図授業の中から、住宅課題における優秀作品を各校1作品ずつ推薦していただき、それらを一同に集めた展示会であります。

 この中から特に優れた作品を公開審査により「優秀賞」として顕彰しています。
 本年も竹中工務店東京本店1Fに在ります ギャラリー エー クワッド において行っていますが、16日間という短い展示期間にもかかわらず、多数の方々にご来場いただいております。

 10月29日(土)に行ないました「住宅課題賞」公開審査は、出展関係者130名を超える参加者の中、本年は、植田 実氏をはじめとする5名の審査員、下吹越 武人氏、高橋 晶子氏、福島 加津也氏、松下 督氏による、4時間を超える白熱した審査により、参加35大学44学科、44点の作品の中から3点を「優秀賞」、5点を「審査員賞」として選出いたしましたので、ここに、ご報告申し上げます。
「住宅課題賞」入賞作品展示会
開  催  日:   10月17日[月]−11月4日[金]10:00 〜 18:00(日・祝日休館)
会    場:  竹中工務店東京本店2F Aホール(〒136-0075江東区新砂 1−1−1)

「住宅課題賞」公開審査                           
日    時: 平成23年10月29日(土)
会    場: 竹中工務店東京本店1F ギャラリー エー クワッド
審    査: 13:00 〜 17:00
会    場: 竹中工務店東京本店2F Aホール
司 会・進 行: 木下 庸子氏(東京建築士会事業委員会副委員長/工学院大学工学部教授/設計組織ADH)

審査員
審 査 員 長: 植田 実 氏(編集者・建築評論家)
審 査 員 : 下吹越 武人(法政大学デザイン工学部教授/A.A.E.)
  高橋 晶子(武蔵野美術大学造形学部教授/ワークステーション)
  福島 加津也(福島加津也+冨永祥子建築設計事務所)
  松下 督((株)日建設計 設計部門設計室)

2011住宅課題賞「優秀賞」・「審査員賞」入賞者」(8点)
作品模型・課題名
受賞・作者名
設 計 主 旨
43
自然のなかの居住単位
「優秀賞1等」
横浜国立大学 工学部
建設学科 建築学コース
3年 ヤップ・ミンウェイ
木々の間をめぐる家。
森のなかの木を手がかりにして、そこに元々存在する空間を具現化してみました。
森のリズムを刻まれた家のなかに、自然と至近距離で暮らす。
落ち葉が降れば、屋根の所々に積って光を遮り、明るい場所と暗い場所を作りだす。
季節が移り変われば、中に投影された風景も生活も付いていく。
そんな自然の家です。
28
「集まって住む」を
デザインする
「優秀賞2等」
日本大学 生産工学部
建築工学科
建築環境デザインコース
3年 堀 裕平
“集まって住む”、それはマンションやアパートのことではない。これらは住戸と住戸の境界に、壁を置きつながりをなくした。
1つの建物の中に一緒に暮らしているのに、互いを知らない。
知ることができない。
1つの建物の中で、8世帯が相互扶助の関係で成り立ち、互いを知り、話し、一緒に食事をし、同じ空間で共に過すことができる。
常にお互いを感じられる集合住宅を提案します。
37
11戸のテラスハウス
-広瀬川×260mの風景
「優秀賞3等」
前橋工科大学 工学部
建築学科
4年 矢端 孝平
河畔に面した長さ260mの敷地の中で0?100歳までの人々が11世帯集まって住むテラスハウスの計画である。
ジグザグにのびるヴォリュームによって南北に各戸の占有・共有庭をつくることで、生活が内側で完結せず、積極的に庭を介して外にあふれだすことを意図している。
また庭と住戸を等価に扱い、交互に並ぶ外観には住人の生活風景があらわれ、この自然環境豊かな街にやわらかく溶込んでいく。
25
何かがある家
「審査員 植田賞」
東洋大学 理工学部
建築学科
3年 大槻 茜
人は毎日生活行為を繰り返す。
そこには無意識の「流れ」があった。
「流れ」に従ってプランニングされたこの家の中で、それぞれのバックグラウンドをもつ9人は家自体の「流れ」に流されながら個々人の生活行為をこなしていく途中に、同じように流されてきた他者とすれ違う。
その少しの時間がこの家族にとって大切であり、集まって住む価値を感じられるものになる。
24
「20年後の私の家」
「審査員 下吹越賞
東京理科大学 理工学部
建築学科
2年 清宮 あやの
東京都杉並区荻窪の住宅地。20年後、私は夫と2人暮らし。
平日は仕事、休日は友人を招いたホームパーティ。
そんな平凡な日々を想像する。 
敷地に沿って伸びたカベは、ヘヤとなり、仕切りとなり、外へと開かれた空間を生み出す。
住宅地に近しい外へと開かれた空間と、内へと閉じられた空間に、パブリックとプライベートの動線を配置。
それによって生まれる新しいカタチの2人暮らしの提案。
44
3〜5世帯のための
集合住宅を設計する
「審査員 高橋賞」
早稲田大学 理工学術院
創造理工学部 建築学科
3年 塩谷 歩波
敷地は人通りが少なく高齢化が進んだ住宅地内にある。
地形としては急傾斜の坂の中腹にあり、そこから低層に位置する都心部を臨むとビル等から漏れる小さな光が寄り集まり周囲をささやかに照らしていた。
これをヒントに小さな光が集まり一つの木のようになった集合住宅を計画し、寂しげともいえる敷地周辺を照らし出したいと考えた。
7
仕事場をもつ家
審査員 福島賞」
工学院大学 工学部
建築学科 建築学コース
3年 藏永 むつみ
家族は個人の集合である。                                     
一つの家の中で、親しい間柄だからこそ生じる<近接>と<分散>を繰り返しながら独立した個人が日常生活を営み続ける様は、まるで目には見えない磁場のバランスによって距離感を保つ磁石同士のようである。                                   
家族同士の関係性という磁場を、空間の関係性に置き換えたADJUSTABLEな住まいを提案する。
26
MY HOUSE
〜上を向いて住まう〜
審査員 松下賞」
日本大学 芸術学部
デザイン学科
建築デザインコース
3年 木村 和
建物が密集する都市部では壁面の開口はプライバシーの保持を妨げる。
このプランでは都市における新しい住宅×事務所の住まいとして、顔となる南面のファサード以外の壁面を閉ざす一方、同じ空間にある住宅と事務所の間に庭を設けることで互いに差と開放感をもたらした。
トラスに刻まれた開口、少しずつずれていく斜めの壁から光が落ちるとき、自然と上を見上げるような住宅となる。

 以上、8点の方々を「優秀賞」・「審査員賞」とし、クリスタルトロフィーの授与、協賛会社と後援会社より副賞として、寄贈いただいた、各建築月刊誌の1年間分及び新刊を、それぞれ贈呈いたしました。

 なお、出展していただいた学生の皆様全員には、入選賞状と入選オリジナルデザイン記念バッジ(純銀製)の授与、協賛会社より副賞として新刊3冊の本を贈呈いたしました。

 今後も、この展示会を通して、各大学間における建築教育の向上と情報交換、更には学生のみならず、建築界にも有意義なものになれば幸いと存じます。
 2011/10/31
東京建築士会