■世田谷美術館 東京の建築遺産50選
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公園内にあるため建築の高さは、極力おさえられ、威圧感をなくすため建物をいくつかの棟に分節し、これらを有横的につなぐ回廊が設けられている。さらに、これらの回廊に、建物全体に水平線を強調させる横能をもたせている。
外部は腰部分から壁・屋根にいたるまで、石・タイル・銅板といったそれぞれ異なる素材で仕上げることによって、安定感と横線を強調している。
外回りのディテールは、各素材が周りの自然と同化しやすいように、PC打ち込みタイルの目地を大きくして柔らか味を出したり、彫りの深さを出すため穴あきタイルを考案するなど、きめの細かい工夫がなされている。
美術館建築はこれまでややもすると、日常生活から遊離した大スケールのものが多いが、ここでは展示室をはじめ建築の各部位が、日常の生活空間である住宅のスケールでまとめられている点が、特徴といえる。
鑑賞者のためといった配慮を欠いた美術館が多い中で、美術を鑑賞する人だけでなく、そこで働く人、公園で憩う人々など、すべての人々の気持ちに考慮した建築として高く評価できる。
これからの美術館建築の一つの在り方を示した建築として、ハード面だけでなく、ソフト面も含めて手本とすべき秀作であるといえよう。


建築年: 1985年(昭和60)
設計者: 内井昭蔵(内井昭蔵建築設計事務所)
施工者: 清水+村本+億田建設共同企業体
面  積: 敷地面積:19,000m2
建築面積:4,882m2
延床面積:8,223m2
構  造: 鉄筋コンクリート造
規  模: 地下1階・地上2階
所在地: 世田谷区砧公園1-2